自律神経内臓調整コース

自律神経の調整をみていく前に、まずは自律神経の役割を確認しておきましょう。

 

●自律神経とは

自律神経は、中枢神経（脳・脊髄）から枝分かれして、全身の器官や組織を支配している末梢神経のひとつです。
末梢神経はおもに次の3つの種類に分けられます。

・知覚神経：触覚や身体の位置覚などを脳に伝えます。
・運動神経：脳からの指令を筋肉に伝えます。
・自律神経：循環、呼吸、消化、吸収、排泄といった機能を調整しています。

知覚神経、運動神経とは違って、自分の意思とは無関係に働いている点が、自律神経の大きな特徴です。

●自律神経の役割

交感神経、副交感神経がアクセルとブレーキの役割をして、体内の環境を一定に保っています。

・交感神経：心拍数の増加、瞳孔の拡大、発汗の促進、消化液の分泌抑制など。
・副交感神経：心拍数の抑制、瞳孔の縮小、発汗の抑制、消化液の分泌促進など。

「自律神経の乱れ」とは、交感神経と副交感神経のバランスが崩れた状態をいいます。
日常生活中のストレスや骨格のゆがみなどが原因となり、交感神経が優位な状態になることをおもに指します。
交感神経の働きで身体の緊張が強まったり、うまく休息状態になれなかったりすることで、さまざまな不調につながる場合があります。

●自律神経の乱れに付随する不調、症状

精神面、身体面での不調が生じる可能性があります。

・頭痛、めまい
・不眠、疲労感
・胃の不快感
・下痢、便秘
・身体の冷え
・ほてり、異常な発汗
・イライラ、不安感

具体的には、これらのような症状が挙げられます。

自律神経内臓調整コースとは、自律神経の調整を目的とした施術です。
特別な機材は使用せず、手技のみで行っていきます。

 

【自律神経内臓調整コースの施術方法】

頭と腹部にアプローチすることで、自律神経のバランスを調整していきます。
強い刺激を加えると交感神経が働いてしまうため、ソフトな力で施術を行います。
また、ご要望がありましたら、全身のもみほぐしをセットで行う場合もあります。

●内臓へのアプローチ

内臓は「平滑筋」と呼ばれる筋肉でできています。
そのため、関節を動かすための「骨格筋」と同様に、疲労が溜まって固まったり、ゆがみが生じたりすることがあります。

当施術では、生活習慣の影響で固まってしまった内臓を、手技で緩めていきます。
また、位置がズレている場合は、本来の場所に戻すことで、内臓の機能を回復させていきます。
※内臓は疲労がたまると、背中側かつ下方に下垂することがあります。

自律神経に関連のある臓器としては、「副腎」「胃」「腸」「肝臓」などがおもに挙げられます。

・副腎：抗ストレスホルモンを分泌している臓器です。長期的なストレスによって疲労が溜まりやすいといわれています。
・胃：自律神経の乱れによって、胃酸が過剰分泌されることがあります。
・腸：ストレスの影響で、働きが悪くなりやすい臓器です。
・肝臓：解毒や免疫など、多くの役割を担っている臓器です。

肝臓は、ストレスや食生活（添加物、アルコール）などの影響を受けやすいといわれています。

●頭部へのアプローチ

頭部と内臓は、筋膜のつながりが強いといわれています。
そのため、頭部への施術によって、内臓の緊張の緩和が見込めます。
※頭蓋骨ごとに、繋がりの強い内臓があります。
たとえば、前頭骨は肝臓と、蝶形骨は副腎とつながりが強いといわれています。

また、頭部にはリラックスのツボが多くあり、全身の緊張緩和にも働きかけられると考えられています。

内臓と頭部を調整することで、自律神経からくる症状の改善が期待できます。
具体的な症状については、次項にて詳しくご紹介いたします。

自律神経内臓調整コースを受けることで、次のような症状改善やメリットを期待できます。

 

●頭痛

副交感神経の働きが活性化すると、頸部の緊張が緩む傾向にあります。
後頭部を走る血管の圧迫がとれて、頭部への血流が回復することで、緊張型頭痛（頭全体の締め付けられるような痛み）の緩和が期待できます。
また、ストレスから起こる片頭痛（こめかみのズキズキとした痛み）の緩和もあわせて期待できます。

●めまい

頭部への血流が改善すると、めまいが緩和しやすいといわれています。

●眼精疲労

後頭部やこめかみの緊張によって、まぶたの重さや目の奥の痛みなどを生じることがあります。
当施術では頭部を重点的にほぐしていくため、眼精疲労の症状の改善を期待できます。

●下痢、便秘

胃腸の働きが回復することで、下痢や便秘といった症状の改善が期待できます。

●疲労感

副交感神経の働きが活性化し、精神的にもリラックスした状態になります。
身体がしっかりと休息できるため、疲労感も抜けやすいといわれています。

●イライラ、不安感

自律神経のバランスが整うと、精神面の落ち着きにもつながります。

●更年期障害の緩和

更年期障害（閉経前後に起こる心身の不具合）はおもに、自律神経の乱れが原因に考えられています。
そのため、当施術で自律神経のバランスが整えられると、更年期障害の緩和が期待できます。
更年期障害に多い症状には、のぼせ、ほてり、発汗などが挙げられます。

自律神経は人間関係、仕事のプレッシャーなどの悩みや不安による精神的なストレス、過労、事故、ケガ、さらには音、光、温度など（環境的要因）による身体的なストレスが原因となり乱れてしまいます。

自律神経の乱れでは、おもに交感神経が優位となり身体が緊張状態になることで睡眠障害・疲労・頭痛・食欲不振などさまざまな症状を引き起こします。

当院では、頭部や腹部に手によるソフトな振動刺激を入れることでリラックス神経ともいわれる副交感神経にアプローチを行うことで自律神経の調整を行っていきます。

肩こりが原因の頭痛だと思っていても、その肩こりの原因は自律神経の乱れによって筋肉が緊張することによるものかもしれません。

現代は気候変動や対人関係などの要因で、自分では気づかないうちに自律神経が乱れていることも多々あります。
自律神経の整え方などのアドバイスもさせていただきますので、一度ご相談いただけたらと思います。